生涯現役エンジニアブログ

生涯現役を保つには何が必要か。齢70、自ら実践している筆者が失敗例を交え生涯現役エンジニアの実例を見せ、また新資格制度を提案します。

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ISOMS(ISOマネジメントシステム)、内部監査、自己宣言、コンサルティング ― 回顧と反省 ― (16)

ISOMS認証ビジネス」に批判的な田邉康雄が、この世界に入った経緯を回顧しています。
前回(15回)書いたように、京大(工)修士課程を卒業して三菱化成に入社しました。大学院で触媒工学を修めたという経歴を買われて中央研究所触媒研究室に配属となりました。しかし私はこの配属に不満でした。

―― 工場技術開発部門
千代田化工建設社長玉置明善氏の著書によって石油化学プラント建設のプロジェクトエンジニア(PE)を目指していた私は、すぐに石油化学工場である岡山県水島工場の技術開発部門への転勤希望を申しでました。
その結果、配属二年後に北九州市八幡西区黒崎工場技術開発部に転属させてもらいました。辞令を受けた際は水島でなくて不満でしたが、大変幸運な転勤であったことが後になって分かりました。

---- 配属部署
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機溶剤から、カプロラクタム、テレフタル酸、DMT(テレフタル酸ジメチル)を製造するプラントの技術開発センターでした。これらは合成繊維、ナイロン、ポリエステル(当時はテトロンと呼称)の原料モノマーでした。

―― プラント改造
カプロラクタム、DMT製造プラントの技術改良テーマが与えられました。化学反応の変更に立ち返った抜本的な改良が求められました。これは即ち、反応触媒の変更と反応器の変更を意味しました。これこそ、京都大学(工)学部カリキュラムと、修士課程新宮春男研究室で習得した技術でした。
先輩の技術指導を受けることなく、テーマを消化できました。最初は、3名、そしてしばらくして10名の部下が与えられました。修士課程を卒業して3~4年目のことでした。

―― 配管の森
年産10万トンのカプロラクタム、DMT製造プラントの中には、配管、ポンプ、調節弁などが複雑に配置されていました。かつて、東亜燃料和歌山製油所で見たようなプラントであり、胸がときめきました。

―― PEへの修行
プラントの中の配管の林を潜って状況を観察し、作業服を真っ黒にして改良を必要とする工程を観察しました。
そして実験室に持ち帰って解析し、その結果をプラントにもっていって実地テストをしました。この仕事は、実にやりがいのある仕事でした。
大学4年生の夏、実習先東亜燃料で夢見た仕事でした。これが、本格的なPEになるための、修行でした。

―― 社長賞3件
黒崎工場勤務の4年間に3テーマが与えられ、全て成功して3テーマ全て社長賞を受賞しました。PEになるための修行中に成果を上げたものでした。

大学院を卒業して6年目でした。その内のナイロン原料カプロラクタムに関する1件は、後年発行された社史に、「開発者は田辺」と私の名前を入れていただきました。

―― なぜやれたのか。
後年冷静に考えて見ました。すると京大燃料化学科修士課程の新宮研究室における教育方針と、学部課程のカリキュラムにあったことが分かりました。

新宮研究室においては、ひとことでいうと、2年間の「触媒工学の実習」でした。これは触媒性能の判定方法でした。そのまま、三菱化成で役に立ちました。先輩に教えて頂く必要はありませんでした。それどころか、先輩に教えて差し上げました。

その上、学部においては、弱電・強電実習、機械設計・製図実習、土地測量実習、地質調査実習など、化学専攻にしては幅の広いカリキュラム提供を受けました。

それとこれらを包含する英語、ドイツ語の文献調査能力でした。新宮研究室では「日本語の文献を見てはならん」との教育が徹底していました。

―― ドイツ語
一年生~二年生でドイツ語を第二外国語として履修し、三年生の時に履修した分析化学実習のテキストはドイツ語でしたからドイツ語は十分に学習していました。ドイツ語文献を気楽に調査できることによって調査の幅が広がりました。
ですから、図書室に行き、調査してノーベル賞福井謙一先生の「理論で分かっていることは実験するな」を履行できました。必要な部分だけを試験(実験)したので仕事は迅速でした。

「大学で習ったことは、一旦全部忘れろ」
これが、当時の技術開発における先輩の教えでした。即ち、理屈を考えずに全て試験(実験)をして答えを出す。これに対して私のやり方は異端でした。しかし、一部の、かつ、有力な先輩は、このやり方を好感もって見て下さいました。

回(第16回)につづきます。

弊社ホームページのブログに投入し、同じ内容をツイッター、フェイスブック、そしてメルマガで配信しています。

―――――

投稿者: 田邉康雄 日時: 2017年09月11日 08:41 |

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