生涯現役エンジニアブログ

生涯現役を保つには何が必要か。齢70、自ら実践している筆者が失敗例を交え生涯現役エンジニアの実例を見せ、また新資格制度を提案します。

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直木賞作家、木内昇氏による「日経新聞夕刊小説『万波を翔る』の主人公、雅号蓮舟 田辺太一(16)

頭書タイトルによる連載記事(今回は第16回)を続けます。昨日(6/1)の日経夕刊、木内昇作『万波を翔る』の連載(第82回)でした。

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これは、明治の東京遷都によって衰退した京都市を救った大プロジェクト、第一第二琵琶湖疏水・蹴上水力発電所の設計者田辺朔郎の育ての親、叔父田辺太一を主人公として取り扱う「ノンフィクション」小説『万波を翔る』です。

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この一週間は、ドルと三分銀との引き換えレートの妥当性に関して、外国奉行水野忠徳と駐日米国公使タウンゼント・ハリスとの間の熾烈な交渉の場に、太一が事務方として立ち会っている場面です。

―― 現在で言うと為替レートの問題ですが、本質はもっと単純なことでした。現在の通貨は、各国中央銀行が発行する、「流通性」のある「借用証書」のようなものであり、金の裏付けはありません。しかし当時の通貨は、「金属」そのものに「価値」を持たせていました。だから金と銀との交換レートが問題でした。

 ―― 日本は古来、「黄金の国ジパング」であり、金が豊富に蓄積されおり、その分だけ銀に対して金の価値が諸外国に比較して相対的に低かったそうです。これが開国した日本にとって大きな不利となりました。

―― ここで不利の例を分り易く理解して頂くために、以下のような仮の、しかも暗算のし易い数字を使うことをお許しください。

―― 開港した横浜における金:銀の交換比率を、「1:2」とします。一方、上海における同比率を、「1:4」とします。この状態で横浜と上海を往復して見ましょう。

 (第一往復):横浜の金1kgを上海にもっていって銀を購入すると、銀4kgが買えます。その銀4kgを横浜に持ち帰って金を購入すると、金2kgが買えます。
 (第二往復):横浜の金2kgを上海にもっていって銀を購入すると、銀8kgが買えます。その銀8kgを横浜に持ち帰って金を購入すると、金4kgが買えます。
 (第三往復):横浜の金4kgを上海にもっていって銀を購入すると、銀16kgが買えます。その銀16kgを横浜に持ち帰って金を購入すると、金8kgが買えます。

 ―― 横浜と上海の三往復するだけで、金Ikgが8kgに、即ち、8倍になりました。実際の交換レートは、もっと日本に不利だったそうですから、正に、米国にとっては「打ち出の小槌」でした。

―― この仕組みにより、幕末において日本の金が大量に米国に流出したそうです。黄金の国は「台無し」で、威厳がなくなりました。

 ―― 昨日夕刊の場面は、1859(安政6)年ですが、先走っていうと、本件のような日本に不利・不条理な為替レートは、翌年1860年の「万延元年遣米使節」の監査小栗上野介忠順がワシントンで交渉してやっと是正されました。小栗の功績は極めて大でした。
 
―― 太一は、その著書『幕末外交談』(明治31年6月28日冨山房発行)の、「洋銀引換」の項のp-112に、「亜米利加条約(日米修好通商条約のこと)第五条、中外の貨の幣同種同量の通用と引替の約あり」とあります。小栗は、これを盾にとって巻き返しを図ったものと思われます。

第19回目は以上です。同じ内容を、メールマガジンと、フェイスブックによっても発信しています。
また、日経ホームページによる、小説『万波を翔る』の紹介を御参照ください。
http://www.nikkei.com/topic/20170213.html

投稿者: 田邉康雄 日時: 2017年06月02日 08:41 |

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