生涯現役エンジニアブログ

生涯現役を保つには何が必要か。齢70、自ら実践している筆者が失敗例を交え生涯現役エンジニアの実例を見せ、また新資格制度を提案します。

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なぜ、一部の野党は「派遣法改正」に反対するのか?

【起】2015年6月21日日経新聞朝刊の13面に、「企業内組合の脱却まだ。成功体験が足かせ」という見出しを見つけました。

興味深い内容なので熟読したところ、現在の雇用慣行は、「三種の神器」とされ、戦後の企業成長の土台となったと説明がありました。その神器とは、――。
1)終身雇用、
2)年功序列、
3)企業内労働組合、でした。

ここまでは、良く知っていたのですが、興味を引いのは以下の意見でした。「企業内労働組合については、それによる成功体験が大きいだけに、労使ともそれを改革しようとはなかなか思わない。そして山岸章連合初代会長の御意見を引用していました。即ち、「企業別組合は日本の労組の致命的な弱点」と。

【承】この解説記事は、私が常々思っていることと軌を一にしているので感想を御披露させてください。前回のメルマガで述べたとおり、改正派遣法によって高齢者の労働力化が進むなど「良い点」が多々あると思っています。しかし、派遣期間「限度3年」が撤廃されると、「派遣が固定化されて、正社員が減少する」という御意見にも頷けます。

正社員が減少すると、被派遣側企業における労働組合員数が減少します。このことは、一部野党の支持母体が弱体化することを意味します。ですから、一部の野党が「体」を張って阻止しようとする意味が分かったような気がしました。

【転】この際、この慣行の歴史を振り返りました。旧大日本帝国陸海軍の復員軍人に加え、朝鮮半島、満州、台湾、樺太から引き揚げてくる民間人があり、その総数は数百万人に上ったそうです。因みに、私の家族も朝鮮半島からの引揚者でした。巷に失業者が溢れました。

全国的に労働運動が吹き荒れ、昭和22年1月に全国的ゼネラルストライキが計画されました。昭和20年12月末に朝鮮半島から引き揚げた父親(朝鮮総督府交通本局釜山地方交通局長)は、幸いにも京都市交通局長を拝命していましたが、このゼネスト計画に遭遇し、それを抑えることができず退任しました。母と私達4人兄弟姉妹には、それ以後の生活苦が身に染みました。

当時は、小学校の先生方も労働運動に参加されました。私はこのことを、小学校4年生の正月に経験しました。これらの先生方の動きが、現在の日教組に繋がっています。この労働運動が社会不安につながり、GHQは日本の共産化を懸念しました。そこでGHQは、占領下の日本政府に、引揚者保護の政策をとらせました。まず、住居確保の目的で借地借家法が制定されました。

また、「戰爭は富裕層が始めたものであり、労働者はその犠牲になった」として、「公職追放」、「農地開放」、「財産税」、「強化相続税」などの、富裕層にとって懲罰的政策をとらせました。これにより、多くの富裕層はそれまでの社会的地位を追われて社会から消滅しました。私の一族は、明治維新による没落から必死に努力して家名回復したものの、この余波を受けて、再び大きく没落しました。

短絡的にいうと、GHQ主導の下で導入された労働運動の「コントロール・ツール」が、日本的雇用慣行(三種の神器)でした。
そして企業においては、この三種の神器を上手に活用する人事部が出世コースとなりました。私がお世話になっていた、(石炭化学の)三菱化成工業株式会社においても、労務政策において成功を収めた方々が、戦後から昭和40年代の中頃まで社長を務めておられました。

【結】日経新聞が言うとおり「成功体験」が大きいので、この成功が「三種の神器」から脱却することの「足かせ」となっているのでしょう。

世の中は、「少子高齢化」の波によって大きく変化しつつあるにも拘わらず、この「足かせ」によって「日本的雇用慣行」から抜け出すことのできない政治家がいることを嘆きます。

投稿者: 田邉康雄 日時: 2015年06月23日 14:01 |

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