生涯現役エンジニアブログ

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不完全な三菱マテリアル爆発火災最終報告書(15)

前回、「水素爆発の仮説を棄却したことに関して論を進める」としました。
クロロシランポリマー類と云われている物質の大半は、珪素原子が二個結合した分子だと記述されています。ですから、「クロロシランポリマー類の加水分解生成物」の主鎖は珪素二原子構造と見做して大きな間違いはないでしょう。

そのように見做すと、「クロロシランポリマー類の加水分解生成物」の一部が不均化反応を起こしてジシラン(Si2H6)になる可能性は否定できません。ジシランは、モノシラン(SiH4)と同様に空気に触れると発火します。

一方、「クロロシランポリマー類の加水分解生成物」から水素が発生する可能性も否定できません。チェンネルカバー内の空間は、約800リットルですから、全部が空気として爆発下限界に入る水素の約20リットルです。これは1モルに過ぎません。
この程度の水素が発生する可能性は否定できません。なぜなら、ジシラン1モルから水素が1モル発生すると仮定すると、少量のジシラン約60グラムから20リットルの水素が発生することになりますから。

ドライ窒素ブローの後にチャンネルカバーを取り外しに掛ったと記述されていますが、作業ミスも加えてカバー内に水素が残留していた可能性が否定できません。

以上否定できないことを三件並べました。これを踏まえて以下のシナリオを否定できないと考えます。即ち、「チャンネルカバーを開いた瞬間に空気が流入し、その空気が水素と混合して爆鳴気を形成し、その際ジシランが発火して誘爆して爆圧でカバーが10m飛翔した」と。

最終報告書においては、「クロロシランポリマー類の加水分解生成物」の乾燥物質が、衝撃により爆発したというシナリオをアプリオリ(予断的に)設定し、他のシナリオを不当に棄却して強引に原因を特定したと私は考えています。

次回(16)以降においては、三菱マテリアルさんが事故調査委員会から受けた改善策の妥当性について検証して行きます。

投稿者: 田邉康雄 日時: 2014年08月14日 08:43 |

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