生涯現役エンジニアブログ

生涯現役を保つには何が必要か。齢70、自ら実践している筆者が失敗例を交え生涯現役エンジニアの実例を見せ、また新資格制度を提案します。

« 日本触媒 アクリル酸 爆発火災 原因(1) | メイン | 日本触媒 アクリル酸 爆発火災 原因(3) »

日本触媒  アクリル酸 爆発火災 原因(2)

火災は昨夜(2012年9月29日、22:30)に制圧されたと報じられました。原因が未発表の今、それを推定してみます。化学工場の爆発火災防止を専門とする弊社の務めです。

―― アクリル酸貯蔵タンク(60kℓ、4.2mφ×5.6mh)から白煙。
この現象は以下のように考えます。

常温で液体であるオレフィン(二重結合を有する有機化合物)は、ラジカル重合を起こしやすいのです。ラジカルとは「激しい」という意味です。アクリル酸は、この仲間です。

―― 重合禁止剤
ですから貯蔵に際しては重合禁止剤(inhibitor)を添加します。ベンゼン環にヒドロキシ基(-OH)が二基ついたカテコールやヒドロキノンなどがその効果があります。これを使用する際、対象物質との溶解性を考慮してアルキル基(-R)をベンゼン環にくっつけます。
私が扱ったものでいうと、ブタジエンやスチレンに、ターシャリーブチルカテコールを用いました。アクリル酸の場合は、メチル基を導入したメチルハイドロキノン(MEHQ)を使用する場合が多いです。

―― しかし『禁止』の言葉で安心してはいけません。重合が始まって禁止剤が消費されると後は野放しです。通常80℃を超えると重合反応が激しくなって禁止剤が短時間で消費されてしまいます。しかしこの時点でカテコールやヒドロキノンを再投入しても後の祭りでしかありません。その温度では、縦横禁止できないのです。あとは、「あれよ、あれよ」と眺めるだけです。眺めているのは危険ですから逃げなければなりません。

投稿者: 田邉康雄 日時: 2012年09月30日 11:13 |

« 前の記事 | 次の記事 »

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




youtue

京大OB・OGガイドブック

初回メール相談無料

エントリー検索

 

カテゴリー

アーカイブ

労働安全衛生マネジメントシステム

田辺コンサルタント著書の書籍紹介

商店街の街並み設計

田辺コンサルタント・グループ
代表取締役 田邉康雄
〒140-0014
東京都品川区大井6-20-6
TEL 03-3776-2495
FAX 03-5742-7695
お問合せフォーム

このブログを購読