森田化学工業(大阪)の三フッ化ホウ素タンク爆発事故に関する私、労働安全コンサルタント田邉康雄の感想を続けます。
前欄までに紹介したのは、水の存在下で金属腐食性を示す化学薬品の例でした。
―― ここで逆の例を挙げます。水を含んでいない状態では腐食性がない例です。塩酸を取り上げましょう。
塩酸は金属腐食性の高い酸としてよく知られています。硝酸と混在すると、金さえも溶かしてしまいます。いわゆる「王水」です。
作り方は、高校の教科書で「1升3円」と覚えました。すなわち、濃硝酸:濃塩酸=1:3で混合するのです。
―― ところが水を含まない塩酸(無水塩酸)は全く金属腐食性がありません。私は三菱化成(現三菱化学)に在職している時、無水塩酸(液化塩化水素ガスとも言います)を500リットルのボンベで購入して使用しました。ボンベは軟鋼でできていました。ステンレス鋼ではありませんでした。
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