横須賀に保存されている戦艦「三笠」の中に当時の艦隊運動の模型が設置されています。これをみると確かに最初はバルチック艦隊の行く手を遮るように双方がT字型の位置関係を形成しています。
―― この形を組むまでに東郷艦隊が、いわゆる「定点回頭」を実施して敵に集中砲火の好機を与え、この危険を冒して勝利したという話が広く語られています。
すなわちこの危険を冒して敢行した「定点回頭」の後は、逆に有利な位置関係を利用してバルチック艦隊の先頭艦に集中砲火を浴びせ、2番艦、3番艦と順次葬ったという話が普遍的です。
しかし、――。
―― 定点回頭をした後は、バルチック艦隊と東郷艦隊は平行して航行しています。実際は、この平行航行の時点で東郷艦隊がバルチック艦隊を撃滅したということが説明を聞くまでもなくよく分かります。よくできた模型であることを感謝します。
「平行航行でバルチック艦隊を圧倒した原因はなにか?」
と、従来から思っていました。
そしてその答えを得ました。「距離測定器」が正解でした。
―― グラスゴー大学(英国スコットランド)のバー教授とストラウト教授が発明した「距離測定器」を東郷艦隊がいち早く導入したのです。
これにより砲弾の命中率を飛躍的に高めました。主砲12インチ砲弾の命中率は10発に1発にまで高まったといわれています。
この測定器は前述した三笠(横須賀)の艦橋の上にこれが装着された状態で保存されています。是非訪問して見学されることをお勧めします。
「皆様のお陰で勝利した」
と、戦後東郷平八郎はバー&ストラウト社を訪問して謝辞を述べました。
これらの逸話は、拙著:「生涯現役エンジニア」http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31832743の23ページ「距離測定器」の項に、正確な出典を含めて紹介しました。







