「企業で働く(65才以上の)高齢者200万人」と日本経済新聞の記事がでました(2008年4月18日朝刊一面トップ見出し)。生涯現役エンジニアを実践しつつある田辺コンサルタントは、65歳以上の高齢者が働くことを日本の活力維持のために歓迎しています。
―― 個人事業主
によって「企業リスク」をゼロにするというリスクを回避できることを前回説明しました。しかしこれを安易に行うと「労働基準法違反」という大きな企業リスクがあることを付け加えました。
―― この「企業リスク」は重要ですから、前回に引き続いてもう一度ここで説明します。繰返しをお許しください。
「労働契約」
とは、事業主の指導監督の下に労働力を提供し、その代わりに「賃金」をもらう契約です。たとえ契約の形式が「請負」や「委任」であっても、実態が労働関係であると労働基準監督署から判断されれば、「労働基準法」の適用上は「労働契約」であるとされ「労働基準法」による規制の対象となります。
以下に2つ例を考えてみます。――
例1 ―― ある企業の企業側が、定年退職者の中から希望者を募集して個人事業主になってもらったとしましょう。そしてその希望者と役務提供をしてもらうための「委任契約」を締結しました。
この「委任契約者」に従来と同じ仕事を、従来と同じ場所で従来通りその職場のルールに従って役務を提供してもらいました。するとこのケースは、実態が「労働関係」です。
もしも従来通りその職場の作業服を着用して従来と同じ仕事を実施していたら、その内容がいかに高度なエンジニアリング業務であっても言い逃れができません。「頭脳」労働も立派な労働ですから。
例2 ―― ある企業が手がけている業務は「業務独占資格」を有する人材が必要です。社員の中から有資格者を揃えることは困難と判断されました。そこで外部の業務に関する役務提供を期待して「委任契約」を締結しました。
その企業は、「委任契約者」を社内の指揮命令系統の中に位置づけて役務を提供することを求めました。顧客に提供する業務サービス品質のバラツキをなくすためでした。
するとこれは「実態が労働関係」であると判断されてもまったく言い逃れができません。もしも社員と委任契約者とを一堂にあつめて教育訓練を実施し、同一の指示を与えていたら言い逃れができません。
―― いずれの場合も「委任契約者」がその状態に満足しているならば、「労働基準法違反」という問題は発生しないでしょう。
しかし人の心は分からないものです。いつ不満が爆発するかは予測がつきません。爆発した時点で大きな企業リスクがあったことに気がつく筈です。予定作動時刻の不明な「時限爆弾」を抱えているようなものです。







